眼の障害で障害年金を申請した事例

27歳頃、だんだん夜が見えにくくなりました。その後も夜の視野が悪くなりましたので近くの眼科開業医を初めて受診しました。眼底写真を撮ってもらいましたが、網膜色素変性症の可能性があると言われ病院への紹介状をいただき、病院を紹介受診しました。
現在は２か所目の病院を定期的に通院しています。

足元が見えづらく、夜は外出できません。車や自転車は残念ながら乗れません。日常生活に著しい制約があり、仕事についても視野が狭いので、社内の商品を見つけるのに時間がかかります。事務所の階段でつまづくこともあります。

＜成功要因＞

①初診日については。受診状況等証明書が取れなかった為、年金事務所で、２つめの病院で診断書以外に受診状況等証明書も併せて取るよう依頼がありました。しかしこの件はしっかり断り、診断書だけで申請し認定を受けました。診断書がしっかり記載されており、発病や初診の日付もカルテから記載頂けたからです。

②保険料の納付要件もずっと会社で事務関係の仕事を中心にしておられ、厚生年金に加入されていたので問題ありませんでした。

③視力は大きな問題ではありませんでしたが、視野がかなり悪く２級の障害認定基準に届くレベルでした。

両眼の視野障害をお持ちの方です。

両眼の視野が10°以内で損失率95°の方でした。事後重症扱いで請求を行い障害等級2級の承認をもらわれました。
＜成功要因＞

①初診日が自宅近くの眼科医院で、カルテが保管されていました。受診状況等証明書も容易に入手できました。

②保険料の納付要件もOKでした。免除申請もされておられた時期がありましたが、初診日の前日より前に、申請をされておられ全額免除の認定を受けておられました。
③診断書は現在の眼科医で依頼し、記入も快諾いただけました。

当初はあまり自覚症状がなかったのですが、夜に自転車を乗っている際に、用水路に転落したことが数回ありました。その後は暗いところが見えにくくなりました。その頃は街灯もないところもあり、街灯のないせいかと思いました。夜盲症かと思っていましたが、医療機関には行きませんでした。友人から白内障ではないかと言われ、眼科を受診することを勧められました。平成24年に堺市の眼科を受診しましたが、網膜色素変性症と言われました。半年に1回程度経過観察の為受診を続けました。だんだんと視力と視野が低下してきました。平成29年3月頃まで受診。その後、岸和田市内の総合病院の眼科を受診されました。

現在の障害としては

視野は狭く、夜は携帯用電灯をもって歩かれます。暗いと物によくぶつかります。階段は手すりを使っています。車は乗れません。通院は家族と同行してもらっています。
買い物は億劫で苦痛です。人にぶつかったりしますので、人のいるところには行きたくありません。陳列も見づらい状態です。
仕事は、小売店の軽作業をしていますが、視野が狭く、店内で引っかかってつまずくことがあります。階段は手すりを使っています。

＜成功要因＞

①初診日については、地元の眼科で受診状況等証明書が取得できました。当時のカルテも残っておりラッキーでした。

②保険料の納付要件も厚生年金期間が400か月もありますので納付要件は全く問題ありませんでした。

③視力よりも視野障害が顕著で、２級の障害認定基準に該当しました。すなはち、ゴールドマン視野計で、「8方向の残存視野の角度の合計が56度以内のもの」に当てはまっていました。これは計測結果が出るまでは2級なのか3級どまりかはっきりしないのが難点ですが、診断書を拝見し該当しましたのでホッとしました。
➃一転残念なのは、過去にさかのぼる遡及請求ができなかったことです。初診日から1年半後は眼科に通っておられたのですが、残念ながらカルテはあるものの、視野測定などは全くされていませんでした。これでは診断書を書いていただくことはできません。

視野障害の為、最近会社を退職することになられた方です。
初診日が判明しないという訴えで当事務所にお越しいただきました。すでに年金事務所で書類一式は取得されていましたが、どの書類がどのような意味合いを持つかは詳しくはご存じありませんでした。

現在の障害としては、視野障害の為、歩行が困難、自転車や車に乗ることができなくなった、パソコン画面を細かい部分まで見れなくなったなどが挙げられます。

＜成功要因＞

①初診日の確定作業が難航しました。初診日が約10年前のひと昔の為、当時受診されていた眼科のカルテはすでになく、全く記憶もDR自身お持ちではありませんでした。

②調査をしている段階で、調剤薬局の診療報酬明細書が出てきました。これで客観的なデータが出た為、初診日の確認ができました。

③その他、友人から第三者証明をとることができ、当時堺市内の眼科に通院していたことを申立ていただくことに成功しました。

➃現在通院している眼科病院では、事後重症の診断書をいただき、診断書に書かれた視野障害から2級レベルの診断書と推察いたしました。

⑤当初は審査が難航すると予測していましたが、3か月程度で年金証書が送られてきました。本当に喜んでいただき、私もほっとしました。

眼科開業医で今から10年以上前から網膜裂孔光凝固の相談していました。網膜出血の治療を受けていましたが、緑内障の診断はされませんでした。しかし今から8年前に視野検査の結果、緑内障の診断を受けました。以後点眼と定期的な検診受診を続けました。当時は視野の上半分が真っ黒の状態でした。緑内障の治療と目のアレルギー症状の治療を受けました。平成28年1月和泉市の病院の眼科へ転院しました。最初に受診した際の視野検査で、右眼が後期、左眼が末期の状態と診断されました。
日常生活に著しい制約があります。通勤途中の駅の階段でつまづき、両手両ひざを負傷しました。あたりが暗い時に歩道の段差に足を引っかけ転倒したこともあります。車を運転時に歩道に乗り上げたり、歩行時に前から来た人とぶつかりかけることがよくあります。
パソコンのディスプレイの文字が文字化けして見えます。

＜成功要因＞

①初診日は10年以上前でしたがカルテが残っていたので受診状況等証明書を取得できました。

②国家公務員でおられたので、一番最後に勤務された部署が障害年金の申請窓口になりますが、めったに受理しない為か、当初は当局ではない、年金事務所へ行ってくれと拒まれました。しかし国家公務員共済組合連合会から貴局が受け入れ窓口になることを説明し、ご対応いただくことが出来ました。

③現在通院している眼科病院で、診断書を記載いただきました。しかし最初に頂いた診断書は未記載部分が多く、視野障害の検査結果が全く記載されていませんでした。後日追加記入のご依頼をさせていただき、しっかりした診断書になりました。眼科医師の中には診断書をあまり書きなれていない方もおられますので、診断書のチェックは必須です。

⑤2か月足らずで共済組合から年金証書が届きました。本当にサポートさせていただきありがたいと思いました。

10年前ぐらいから物がゆがんで見えるようになりました。それまではこのような経験はしていませんでした。平成22年自宅近くの堺にある眼科を受診しました。糖尿病性網膜症と右硝子体出血の診断を受けました。

大きな病院で治療するよう言われ、大阪市内の大学病院で目の手術のため受診することになりました。又、網膜症と右硝子体出血の原因は高血圧か糖尿病か内科で検査をしてもらいなさいと言われました。そこで自分は初めて糖尿病だと言われました。平成22年8月28日、内科開業医を受診し、糖尿病がひどいと言われました。それまでは自覚症状もありませんでした。

平成22年11月に大阪市内の大学附属病院・眼科を受診しました。合計3か月入院しましたが、レーザー手術を両眼とも何回もしました。

現在右目は全く見えない状態で、左眼も相手の顔がはっきり見えません。

＜成功要因＞

①糖尿病が原因で糖尿病性網膜症になった場合は、通常は糖尿病で内科を受診した日が初診日になります。しかし今回の場合は、糖尿病での自覚症状がなく、最初は目が見えにくいということで眼科を受診し、初めて自分が糖尿病もあることが判明しました。この場合は眼科に初めて受診した日が初診日になり、その後糖尿病の治療で内科医院を受診されています。

初診日がいつか、どの医療機関なのかが最初に考えるべき事項で、これが狂うともらえるものももらえなくなります。

②現在の体調については、一日横になっていることが多く、ベッドで寝たり、椅子に座ったりされています。通院も妻の付き添いが必要で、単独では外出できません。自宅では杖を使い、外出時は車いすを使います。車から家に入るにも妻に手を引いてもらいます。階段を踏み外したりしたこともあります。明るいところはまぶしく感じられます。一切運動ができない状態です。日常の家事などは妻や家族にしてもらっています。

➂当初は遡及請求も検討しましたが、初診日から1年半後はまだ障害の程度が軽く、2級に該当はしませんでしたので事後重症請求に的を絞りました。

 

今から20年ほど前から体重が減り、気になっていましたがすぐには受診しませんでした。その後、家族の勧めもあり、自宅近くの内科医院を受診し採血をしてもらいました。検査結果で糖尿病の診断を初めて受け驚きました。口渇や頻尿もあり、継続受診しました。眼科については、10年前に糖尿病性網膜症の診断を受けました。糖尿病性網膜症の検査・治療を定期的に受けています。

夜は明かりがないと歩きにくいし、人の顔がわかりづらいこともあります。車の運転もしていません。就労は事務作業中心ですが、細かい文字が見えづらくて、作業が以前より遅くなりました。書類を読む際ルーペが必要になっています。

＜成功要因＞

①初診日の特定が難航しました。糖尿病で最初に受診された医療機関は特定できましたが、すでにカルテが無く初診日が特定できずにいました。2つ目の医療機関の病院も検査で受診しただけとの話でしたので、これも難しいのではないかと思いました。私の方から病院・医事課に尋ねたところ当時のカルテは一般的にはすでに破棄されているとのことでしたが、念のため調べてみましょうと快諾いただきました。

結果、倉庫から当時のカルテが出てきたのです。ラッキーでした。当時の受診日や紹介状、検査資料などが出てきました。その資料をコピーしていただき初診日を特定し請求することができました。

②障害の程度ですが、視力も片目だけ悪く、一方はそれほどでもありませんでした。主治医の方も当初は片目だけの場合は障害年金はもらえないよと患者に説明されていました。両眼の視力が良くないと障害厚生年金はもらえません。片目の視力が0.1以下（矯正視力）でやっと障害手当金レベルです。しかし、認定基準を精読すると障害の程度が障害手当金レベルの場合でも症状が固定していない場合は障害厚生年金3級になる場合があります。

➂今回は請求まで長時間かかりましたが、おかげさまで障害厚生年金3級をもらえることができました。
 

＜治療経過＞

平成16年に別の病気で大阪市内の市民病院・内科を受診し、血液や尿の検査を受けたところ、糖の数値が高くすぐ入院しなさいと言われ、即入院しました。インシュリンの投与など糖尿病の治療を受け2週間後に退院したのが初診の状況でした。

しかし体が楽になったので、その後は治療を中断しました。9年後に足にけがをしたところ、足がパンパンに腫れ変な色になりました。足が壊死しかかっていると言われ、即入院し1か月間入院しました。インシュリンの投与を受けました。

又、眼の横辺りが痛くなり、眼科も受けるよう言われ、同病院の眼科も受診しました。糖尿病性網膜症の診断でした。レーザー治療を数回受けましたが、急に眼が痛くなり、別の大阪市内の総合病院に救急搬送されることになりました。

眼科に入院しました。眼が開けられなくなり、立っておれなくなり、右目は見えなくなっていました。営業で車の運転もしていましたので治療を中断しました。令和2年には、体調が悪く足がむくみだし、内科に入院。現在は、右眼は失明し、左眼も視野障害がひどくなっています。夜になると見えにくい。距離感がつかめない。歩くのが怖いです。外出、階段の昇降も非常に不自由で、階段を踏み外すことがしょっちゅうです。

＜成功要因＞

①初診日の病院はすでにカルテも破棄され、自宅に退院証明書が残っているだけでした。しかしラッキーなことに病名（糖尿病）や入院期間が記載されていました。又当時の友人から第三者証明の申し立てを2名してもらい、初診日の証明として年金機構に提出することができました。

②現在通院している医療機関で眼の診断書を取得しました。視力、視野障害の計測をして頂き、特に視野障害は、中心視野の角度が1/2の測定値で右0、左26度の合計数値でした。診断書の病名に、糖尿病網膜症と血管新生緑内障がかかれており、この時初めて緑内障にもかかっていることが判明しました。しかし、血管新生緑内障は糖尿病が原因でおこるもので初診日については糖尿病の初診日で対応することができました。

➂今回は請求は、おかげさまで障害厚生年金2級をもらえることができ、年間約160万円の受給が決まりました。
 

＜治療経過＞

令和１年になり、電話でお問い合わせいただきました。最近視野障害が以前よりひどくなってきたとのことで、夜になると見えにくい、外出、階段の昇降も非常に不自由な状態とのお話でした。今まで勤めておられた会社も退職することになったとお聞きしました。とのことでした。

＜病気の特性＞

網膜色素変性症は、遺伝子の変異が原因の病気で、網膜の視細胞や色素上皮細胞が変性するものです。症状として夜盲、視野が狭くなる（狭窄）、視力低下がおこります。指定難病に入っている病気で、現在治療方法は確立されていない状況です。最終的には失明に至る可能性もある病気です。

＜成功要因＞

①面談の上、お話を伺いました。今から20年以上も前に、大阪の病院で初めて眼科を受診したとのことでした。約5年近く受診されたと聞きましたが、カルテが残っているか心配でしたが、幸運にも昔のカルテが保管されていました。すぐに初診日の証明となる受診状況等証明書を取得することになりました。

②ところが、取得いただいた受診状況等証明書には、平成12年に網膜色素変性症と書かれていましたが、その前から同じ病院の眼科を受診しておられ、平成9年から眼底検査で、骨小体色素沈着やERG検査で異常を認められたことが記載されていました。その当時は眼の症状としては特にありませんでしたが、平成12年から夜盲症が発言し、網膜色素変性症の診断を受けたいきさつが書かれていました。そうすると審査の過程で初診日を平成12年ではなく平成9年とされる可能性が少しですがありました。年金の加入履歴を確認したところ、平成9年も12年も会社が異なっていましたが連続して厚生年金に加入されていましたので、どこの時点をとっても障害厚生年金として請求することが可能であることが確認できホッとしました。

➂新しく開設された病院で視野検査や視力の測定を行い診断書を書いて頂きましたが、診断書を拝見したところ、かなり視野障害が進んでおられる様子でした。

➃結果は障害厚生年金2級が獲得でき、約150万円の受給が決まりました。
 

＜治療経過＞

平成6年にコンタクトレンズの調整で眼科を受診しました。その際に、眼底検査をしたところ異常があると言われましたが、病名は言われませんでしたし、自覚症状もありませんでした。

平成6年4月より会社員として社会生活を送っていました。眼の方も特に自覚症状がなく受診することもありませんでした。車の運転も問題はありませんでした。会社の検診でも視力で問題になることはありませんでした。

しかしながら、平成17年頃から夜に目が見にくくなり、車の運転をやめて電車通勤、自転車や歩行のみとなる。

歩道の段差での躓きが気になるようになり、地元のS医療機関を受診。検査の結果、網膜色素変性症の疑いがあると言われD総合病院を紹介されました。

＜成功要因＞

①平成６年の初診日は自覚症状もなし、治療もなし

初診日としては、平成６年は何も診断をくだされていない、投薬などの治療も受けていないので初診日としては採用できないと考えました。

②11年後のS医療機関を初診日として申請。

11年間どこも異常がなく、受診する必要もなく、普通の日常生活や社会生活を送っておられましたので、社会的治癒を前面に出し、S医療機関の初診日を網膜色素変性症の初診日として申請しました。

➂S医療機関を初診日とし、その1年半後が障害認定日になります。たまたまですが、障害認定日当時に眼の視野検査をされていた為、障害認定日当時の診断書と現在の診断書を依頼して、遡及請求を行いました。

➃結果は障害厚生年金2級が獲得でき、過去5年前に遡り、年間約200万円の受給が決まりました。