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障害年金受給の要件

障害年金の初診日とは

障害の原因となった病気やけがで初めて医師または歯科医師の診察を受けた日のことを初診日といいます。

保健所で保健師に相談した場合や整骨院やほねつぎなどは初診日とは認められません。

又、同じ病気やけが(相当因果関係のある病気やけが)で複数の医療機関にかかっている場合は、最初に医師または歯科医師にかかった日が初診日となります。

初診日の確定は一般の方では難しいケースも多く、障害年金申請の最初のハードルで立ち往生される方も多いです。専門家にご相談いただければ幸いです。

具体的な初診日について


具体的な初診日として以下の内容があげられます。

(1)初めて診療を受けた日(治療行為や療養の指示ががあった日をさします)

(2)同じ病気やけがで別の医師に移って治療を受けた場合は、一番初めに医師の診療を受けた日をさします

(3)過去の病気が治って、同じ病気が再発した場合は、再度発症し医師の診療を受けた日

(4)健康診断については取扱いが平成27年10月より変更されています。今までなら健康診断で異常が発見され、療養に関する指示を受けた場合は健康診断日が初診日になるとしていました。しかし平成27年10月より原則として健診日は初診日として取り扱わないことになりました。しかし直ちに治療が必要と認められる健診結果の場合、請求者が健診日を初診日としてほしいとの申立てがあった場合には、健診日を初診日とし、健診日を証明する資料(健康診断・人間ドックの結果票等)を付けたうえで、初診日を認めてもらうことが出来ます。


(5)病名が確定していない場合で対象となる病気と異なる病名であっても、同じ病気と判断される場合は、他の病名の初診日が対象となる病気の初診日となります

(6)じん肺症はじん肺と診断された日

(7)障害の原因となった病気の前に相当因果関係があると認められる病気がある場合は、最初の病気の初診日が対象となる病気の初診日になります

(8)先天性の知的障害(精神遅滞)は生まれた日が初診日



先天性股関節脱臼については、完全に脱臼して育った場合(中学・高校の体育には参加できなかったケース等)は生まれた後に最初に医療機関に受診した日が初診日になります。

逆に体育の実技は全て参加し、医療機関に受診する必要もなく成長し、大人になって変形性股関節症が発症した場合は、大人になって最初にかかった受診日をさします。

*発達障害の方で、知的障害を伴わないアスペルガーや自閉症スペクトラムなどの方は初めて診察を受けた日が初診日となります。生まれた日が初診日とはなりませんので注意が必要です。


相当因果関係とは、前の病気やけががなかったなら後の病気が起こらなかったであろうと考えられる関係をいいます。

 

初診日にならない事例

以下のような事例は初診日にはなりませんのでご注意ください。

(最終的な判断は受診状況等証明書や診断書の記載内容を見て判断されます)

①うつ状態で薬を大量服薬し、救急車で病院に運ばれ胃洗浄の措置を受けたが、そのまま帰宅し、その後も受診しなかった場合

②医療機関にかかり検査をしたが、医師から何も異常はありませんよと言われ、治療行為や投薬を受けずに終わった場合

接骨院などにかかった場合(医師や歯科医師の診察を受けていない場合)

➃保健所や心のセンターなどで保健師や臨床心理士の面談・コンサルティングを受けただけで終わった場合

幼少期に股関節脱臼などでギプスをはめていたが(病院で治療を受けていたが)、その後は治療を受けず小学校以降は体育の実技にきちんと出席していた場合(社会人になってから股関節が痛み出した場合)、この場合は初診日は社会人になってから初めて受診した日が初診日になります。

難病関係で、痛みなどの自覚症状があるものの、どこの医療機関にかかっても原因不明で、数か所医療機関を受診した後で、やっと専門医に出会い確定診断を受けた場合は、確定診断を受けるまでの受診は初診日にはならないことも多いです。

初診日の確認が最初の作業です

障害年金を申請される場合、知的障害等(療育手帳をお持ちの方)の申請以外は、初診日を証明することが必須の作業となります。

初診日が確定できないと、
「保険料の納付要件」も、いつまでの被保険者期間の納付状況を確認すればよいのか判りませんし、
初診日から1年6ヶ月後の障害の程度を判断する「障害認定日」も確定できなくなるからです。

病院受付でカルテがないと言われたら

病院が法律上カルテを保存する期間は5年までとなっています。5年以上の昔、受診されてその後受診されなかった場合は、昔のカルテの保管は、病院のそれぞれの判断になります。特に電子カルテ移行に伴い紙のカルテを処分されておられる病院も目立ちます。

病院の外来受付等で初診日の証明(確認)を依頼時に、カルテがないのでわかりませんと言われたら、

①外来に置いてなくても、病院の倉庫などにカルテが保管されているケースもあります。

②病院のパソコンに、病歴や初診日・診断名が記録として残っているケースもあります。

③過去の資料で残っているものはないか、職員に食い下がって聞くことも必要です。

受診状況等証明書を取得できない場合の対処方法(初診日がわからない場合)

病院で初診日が確認できない場合の対処方法として、以下のものが考えられます。

通常、複数の資料を用いて初診日を認定してもらいます。

お薬手帳、病院の領収書、受診日(予約日)が記載されている診察券など

障がい者手帳申請時に市役所に提出した診断書コピー

生命保険会社、損害保険会社などに提出した診断書コピー

お勤めになっていた会社の健康保険組合の給付記録

交通事故証明書

小学校・中学校の通知書

第三者証明(日本年金機構所定の様式)

初診日がわからない、病院のカルテがない等でお困りの場合は、大阪・堺障害年金相談室にご相談ください。代表の上島社会保険労務士が親身になってご相談に対応させていただきます。もちろん初回相談料は無料ですのでお気軽にご連絡ください。

 

相当因果関係について(具体例)

相当因果関係ありとして扱われることが多いもの

原因となった傷病現在の疾病
糖尿病糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性壊疽
糸球体腎炎、慢性腎炎慢性腎不全、人工透析
肝炎肝硬変
結核の化学療法(ストレプトマイシン等)聴力障害
手術における輸血肝炎が併発した場合
副腎皮質ホルモン(ステロイド)の投与

大腿骨頭無腐性壊死 (歩行困難等)

事故または脳血管疾患精神障害
肺の手術呼吸不全発生
悪性新生物転移した悪性新生物(原発の物と組織上一致)

上記以外にも

心臓サルコイドーシス(サルコイドーシス→心機能障害・ペースメーカー装着)

心原性脳梗塞(心房細動等の心疾患→脳梗塞が発症)も因果関係ありとして扱われるケースがあります。

相当因果関係なしとして扱われることが多いもの

原因となった傷病現在の疾病
高血圧脳出血、脳梗塞
近視黄斑部変性、網膜剥離、視神経萎縮
糖尿病脳出血、脳梗塞




 

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