血液疾患（白血病・悪性リンパ腫等）による障害・事例紹介Ⅱ

平成２９年自宅で呼吸困難になり、救命救急の医療機関に救急搬送されました。人工呼吸器をつけ、ICUにて治療を受けました。薬では進行が抑えられない状況でした。

酸素吸入と投薬以外にその他の治療方法がないと言うことで転院されました。現在は別の医療機関に転院し、約半年間入院生活を送っています。日に日に食欲が落ち、体力の低下が目に見えてわかり、背中に床ずれができ痛そうで、座ることも大変で寝ていることがほとんどです。

令和になり、入院中も自分でベッドから起き上がれない状態で、自分で立つことができません。病院で出されるおかゆなどのご飯は少ししか食べられません。２４時間の酸素吸入は続けています。トイレは紙おむつで対処しており、お風呂も病院のベッドタイプの場所に寝ていて、看護師さんに体を洗ってもらう状況です。

＜コメント＞

①単独では何もできない状態ですし、ほとんど声も出ない状態で会話が成立しません。診断書は、血液疾患の診断書と呼吸器疾患の診断書の2枚を主治医に書いて頂きました。

②どの診断書も、一般状態区分表は最重度の「オ」に〇がつけられており、「身の回りのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの」にまさに該当されていました。「低肺機能が日常的に続く状態で、急性増悪中」と診断書に記載がありました。主に私とのやり取りはご本人の娘さんと行い、診断書の依頼も娘さん経由で書類を集めさせていただきました。1級が決まりホッとされておられます。

平成29年に貧血と消化管出血があり、救急指定病院の救急外来に搬送されました。すぐに入院し、各種検査から骨髄繊維症の診断を受けました。翌年には移植の為、大学病院へ転院することになりました。その後移植を行いました。

抗がん剤、ステロイド、免疫抑制剤の投与を受けていました。一時退院しましたが、同年2月に再入院し、血小板減少で輸血を受けていました。その後退院しました。

しかしGVHDが出現し、下痢がひどい状態で3回目の入院をしました。

仕事は今まで1年半休職し傷病手当金を受けていましたが、退職することになりました。

＜コメント＞

①疲労感、むくみ、咳があり、下痢、動悸や息切れもあります。身体に出血斑、皮膚がカサカサです。ステロイドや免疫抑制剤投与の影響か、筋力がかなり落ちています。病院内でこけたこともあります。手すりがあっても階段の昇降もできない状態でした。食欲はない状態が続きました。

②最初に実施したのは、初診日の証明をとる為、救急病院で受診状況等証明書を取得することでした。今から5年以内の初診でしたのでカルテも保管され、2週間程度で取得できました。

②次に、診断書を大学病院の主治医に記入いただくことになりました。定期的な検査データを患者さんから頂いておりましたが、数値の変動が激しく、悪い時は2級レベルの検査データでしたが、数値が良い時は3級も難しい状態でした。検査データから最も体調の悪い（検査データの数値が悪い）日付の検査数値を診断書に書いて頂けるよう文書で依頼しましたが、帰ってきた診断書には最も数値の良い検査データが記載されており、これでは3級も難しい状態でした。ちょうどステロイドや免疫抑制剤を投与して一時的に検査数値がかなり改善していたのです。

➂どうしたものか、かなり悩みましたが、患者さんにいつも寄り添っていただけるコーディネーターの方に相談したところ、最も検査数値が悪いデータも診断書に追記いただくことに成功しました。

➃検査データについては、障害認定日当時から今までの検査データの推移を認定医に理解してもらうため、別途検査資料も参考用として申請書類一式に入れて年金事務所に提出しました。

⑤3級レベルの認定かと心配していましたが、当初の目標通り2級の認定を頂き、年間約180万円受給が決まりホッとしています。

平成29年1月から歩行が困難になり、階段の昇降も苦痛になりました。富田林市にある最寄りのクリニックを受診し、血液検査をしてもらったところ、すぐに入院するよう言われ総合病院へ紹介状を書いて頂きました。

大阪市内の総合病院を受診し、即日入院することになりました。再生不良性貧血の診断でした。

退院後は自宅療養を続けながら、赤血球や血小板の輸血、免疫抑制剤などの点滴をしてもらいました。

去年6月頃から血小板の数値が低下し、血小板輸血をするため外来通院中です。

倦怠感、動悸や息切れがあります。身体に紫斑もあります。出血の傾向、むくみもあります。

＜コメント＞

①慢性GVHD（移植片対宿主病）の可能性

造血幹細胞移植をすることも念頭に置かれて治療を受けていましたが、造血幹細胞移植の前に診断書を書いていただくか、移植後に体調が悪くなってから診断書を書いていただくか迷いました。

先ず、移植前に診断書を取得してもらいましたが、かなり軽症で3級がやっと通る程度でした。本人も2級を目指しておられたので、結局その診断書では請求せず、造血幹細胞移植後のGVHDで診断書を書いてもらい請求することになりました。

②血液疾患の場合、出血傾向や輸血の有無、さらには血小板数や白血球数、ヘモグロビン濃度などの検査数値が重要になります。この方の場合は何とか2級相当の検査所見がありました。

➂就労も今まで続けておられましたが、やはり体力がなくなり退職することになりました。

➃目標の障害厚生年金2級が決まり（年間180万円）ホッとしています。