めぐみ：障害手当金という言葉を聞いたことがあるんだけど、これも障害年金の一種なの？

上島社労士：そうなんです。障害厚生年金の範疇に入りますが、一時金として国から支給されるものなんだよ。

めぐみ：どんな人でももらえるの？

上島社労士：やはり厚生年金に加入している期間に病気やけがになって初診日から5年以内に治癒もしくは症状固定された人が対象になるんだよ。障害の程度は障害厚生年金の3級より少し軽い程度、いわば4級レベルの方が該当します。

めぐみ：国民年金加入中だともらえないのね？

上島社労士：残念ながらそうなんです。障害基礎年金は2級どまりなので、3級以下の年金や一時金はないのが現状です。

めぐみ：治癒はわかるけど、症状固定てどんな状態なの。

上島社労士：完全には治癒はしていないけど、これ以上治療を続けても効果が期待できない場合を症状固定というんですよ。脳梗塞後遺症などでリハビリを続けていたけどこれ以上リハビリを続けても症状が改善されない、機能回復が望めない状態等に症状固定という言葉がよく使われます。

めぐみ：知り合いの方で、工場で作業中に指を2本切断された方がいます。すぐに病院に行かれたようだけど労災保険は休業補償給付はもらっていたけど、それ以外は特にもらっていない様子です。今からでも傷病手当金は請求できるのかな？

上島社労士：まず労災保険にも障害補償給付という年金もしくは一時金がもらえる制度があるんだよ。指の切断なら一時金ととして労災から給付が出ると思うよ。労災から障害補償給付が出た場合は、障害手当金（厚生年金）は請求してももらえない仕組みになっていますので、どちらも両方もらえるわけではないんだよ。労災保険の給付の方が一般的には障害手当金より金額が大きいですよ。

めぐみ：わかりました。他に障害手当金について注意するべき点はありますか？

上島社労士：障害手当金は治癒（症状固定）してから5年以内に請求しないと時効の関係でもらえなくなります。たとえば10年以上も前の障害を後になって気が付いても、障害手当金としては無理ということです。申請は通常の障害厚生年金の申請と同じやり方で、支給基準に合えば障害手当金がもらえます。

めぐみ：なるほど、もしもらえたらどのくらいの一時金がもらえるんですか？

上島社労士：障害厚生年金3級の年金の2年分と同じ金額が一時金としてもらえます。最低保証金額としては約116万円の障害手当金がもらえます。