聴覚・平衡機能・言語機能等の障害で障害年金を申請される場合

聴覚の障害の場合、聴力レベル（数値）で等級がほぼ決まります。

１級ー「両耳」の聴力が100ｄｂ以上

２級ー「両耳」の張力が90ｄｂ以上だと2級になります。

又「両耳」の平均純音聴力レベルが80ｄｂ以上でかつ最良語音明瞭度が30%以下のものも2級に該当します。

通常、聴覚の障害をお持ちで障害等級1級、2級クラスの方の場合、補聴器をつけていない場合、ご本人様との面談の際は、筆談やお互い顔をくっつけるような形で少し大きな声で面談させていただくことになります。

障害厚生年金3級の対象となるには、

①両耳の平均純音聴力レベルが70db以上のもの、若しくは

②両耳の平均純音聴力レベルが50db以上で最良語音明瞭度が50％以下が該当します。

片方の耳のみ難聴の場合、一耳の平均純音聴力レベルが80db以上であれば障害手当金の可能性があります。

又、症状が固定していなければ3級該当の可能性もあります。（障害厚生年金の請求のみ）

聴力レベルはオージオメーターで測ります。
1級に該当するには、上記の検査とともに聴性脳幹反応検査等を実施し、診断書に結果を記載する必要がありますし、記録データの提供も必要になります。

平衡機能障害もお持ちの場合は聴覚障害と併合認定の可能性もあります。
脳の頭部外傷や悪性新生物、中枢神経系の障害によりめまいなどの自覚障害、眼振が現れることもあります。

平衡機能障害のみでは2級までで、単独では1級はありません。

目を閉じて起立や立位保持が全くできない、眼を開けて直線10m歩行ができないー転倒したり、よろめいて中断したりする場合は2級の可能性があります。

目を閉じて起立や立位保持が不安定、眼を開けて直線10m歩行がどうにかこうにか歩き通す程度（中等度の平衡機能障害）であって、労働能力が半減しているような場合は3級レベルと判断されます。

そしゃく・嚥下機能障害も障害年金の対象傷病です。

咽頭がんや喉頭がんなどの方に見られる局所的な障害として起こりえます。
鼻へチューブを通して栄養を入れることが必要であったり全粥でないと食べれない状態は3級レベルと言われています。
更に流動食でないと食べれない状態、経口的に食物を全く食べられない状態は2級レベルになります。
尚、抗がん剤投与や放射線治療などで全身の状態が悪化している場合は、別途全身状態の状況を記載する診断書シートがありますので、併せて年金事務所（市役所等）に提出することが望まれます。

音声又は言語機能の障害をお持ちの方もおられます。(構音障害、音声障害)
会話による意思疎通の程度がどのレベルにあるかも評価対象の一つです。
さらに失語症を患っておられるケースも該当します。

脳梗塞やくも膜下出血等の脳卒中の障害をお持ちの場合、身体の手足が麻痺されている場合に提出する「肢体」の診断書と一緒に、言語機能障害の診断書を一緒に提出すると、場合によっては併合認定され等級がランクアップする可能性もあります。

喉頭全摘術をされた方で、発音に関する機能を喪失された方は原則2級の認定となります。又、障害認定日は、喉頭全摘術を実施した日になります、（但し手術日が、初診日から数えて、1年6か月経つまでの場合に限ります）

音声・言語機能障害+そしゃく・嚥下機能障害
音声・言語機能障害+聴覚の障害
音声・言語機能障害+肢体の障害
音声・言語機能障害+精神の障害（高次脳機能障害）
上記パターンは、場合によっては併合認定の取り扱いを行います。
脳梗塞の後遺障害をお持ちの方は上記パターンのどれかに当てはまる場合もがあると思います。